停電被害で感じた事、求める事
普段の日常に戻るとあっという間に喉元過ぎれば熱さを忘れるのが人間。
なので避難していた時に感じた事を記しておく。
- 公的支援は無いのを前提としておく
全ての田舎の役所がこうとは限らないが
自分の住んでる地域の役所は話が通じないし動き出すのも遅かった。
早々に退避した後避難所開設等の情報をチェックし続けたが
実際に動きがあったのは三日を経過した頃だった。
その頃まで自宅で粘って体力気力を消耗したら
動ける体も動けなくなると思う。
- 籠城か脱出かの分岐点を考える
インフラが壊滅した状況で自家発電機を用意して
家の電力を全て賄えるようにしても食料燃料はやがて底を着く。
そこか初めて動こうとしても配給制限に引っかかってしまう。
明らかに長期化が見込める状況や更なる被害が差し迫っているのであれば
脱出は早ければ早い方が良い。
逆に短期復旧が見込める状況なら籠城した方がコストはかからない。
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被災者は情報の送信受信能力が失われている
停電や災害を受け被災者になるという事は、
インフラが大なり小なり失われている状態である。
避難所の情報をNHKのデータ放送で流しても停電地域にいれば全く知る事が出来ない。
遠隔地に住んでいたり体力的に難しければ自らの窮状を直接訴える事も出来ないので
行政は声なき被害の実態をいかに拾い上げるかの手段を作らなくてはいけない。
- 情報発信をネット/SNSに依存しすぎていないか?
インフラが備わっている事を前提として発達してきた伝達手段を
インフラ破壊地域に適応する事自体が歪みを発生させる気がする。
無線放送やラジオ、広報車など一番直接的に伝わる方法を第一選択肢として
採用すべきではないだろうか。
- 支援はスピード感や数値目標を出してほしい
日頃から有事の際は12時間以内に避難所を開設するなどのテーマが無いと
支援する側の動きも遅いし、受ける側もどこまで待って目途が立たない。
目途が立たないという事は非常に大きなストレスになる。
クレーム対応と同じように情報は途中経過を含めて伝えると安心感が出る。
飲料水や救援物資などは被害の現状を把握してから時間が経って出すよりも
条件なしで初めから配布すると決めた方が配る側も受け取る側も動きやすい。
- 人は同じ目に合わないと共感できない
- 結局は自分への対応も後手になる
普段の日常生活を送っている人にインフラ破壊の窮状を訴えても伝わらないのは
自分が痛い目に遭ってないからである。
しかし共感能力が高い人や想像力を働かせられる人は
他人の経験を自らに生かす事が出来る人でもある。
痛い目に遭って初めて学ぶ人と他人の経験を生かせる人とでは
準備の開始時期に大きな差が出る事は明らかである。
- 寄り添いの気持ちを大切に
被災者は政府や世間に自分達の事を考えて欲しいと切に願っているし
その姿勢を目に見える形で確認したいと思っている。
助けを求める感情に配慮する事も必要であると感じる。